#763 案ずるより手を動かしてみるが易し
「案ずるより産むが易し」ということわざは、「あれこれ考えるよりも、やってみた方が意外に簡単だ」ということを人々に知らせ、思い起こさせてくれるとても良いことわざである。
しかし、だからといって何でもかんでも実行してみれば良いということではない。失敗したら取り返しがつかないことについては、やはり慎重になるのが人の常だ。逆に言えば、取り返しがつくことはどんどんやってみればいいわけである。
とはいえ、リソースは無限にあるわけではないので、何から順番にやってみるのかということは決め、判断しなくてはいけない。それは人によって違うだろう。目の前のことからやってみる人もいれば、もっと大きな、広い、もしくは長期的な視点で何かを選び、やってみる順番を決める人もいるだろう。
いずれにしても、「とにかく考えるよりもやってみた方が意外に簡単だよ」ということをこのことわざは伝えており、あくまでもそういう意味でしかないわけである。
ここからは私なりの解釈になるが、私はこの言葉を特に「リスク」というものに対してとらえていた傾向があるように思う。つまり、リスクのあるものに対してやるかやらないかを躊躇していたが、「意外にやってみたらそんなに大したことではない」ということだと捉えていた節が自分の中にあった。
しかし、大きく言えばそれに含まれているものの、小さく言えばそこには含まれていない。自分の中では少し経路が違ったものとして、「何かをやる」ということはすでに決まっていても、その「やる方法」はいくつかある、という状況があった。
例えば、今すぐにはうまく例が出てこないが、仮に「ある場所で車を展示しよう」と思ったとする。私は車を持っていないし、車を展示しようと思ったこともないので、これはあくまで例え話だ。
そのとき、「車をただ置くだけではかっこよくないのではないか」「背景をジオラマのようにした方がいいのではないか」「地面に何か装飾をした方がいいのではないか」など、いろいろと悩むだろう。そして悩んでいるうちにお金もかかるし、どうしようかと迷う。
しかし、実際にまず一番簡単なアイデアとして「車だけを置いてみる」ということを試してみたとする。すると、意外にもそれだけでもそれなりに見栄えがして、「まあこれでいいじゃないか」と思えることがある。
私が感じている「案ずるより産むが易し」の第2の意味はこの辺にある。もちろんこれは元々ことわざに含まれている意味でもあるが、結局のところ「方法」や「アプローチ」の話でもあるのだ。
つまり、もっと気軽に、もっと早く何かを試してみる。頭の中で考えるだけではなく、実際に手を動かして試してみることが大事だなと思った瞬間が最近あった。これもまた、普段自分がそういうふうに捉えていなかっただけで、「案ずるより産むが易し」ということわざの一つの形なのだな、と感じた。
